今回は長期で見た体の症状の改善の見込みと退院に向けた介入について解説していきたいと思います。
自分の体験をもとに解説する完全主観の記事なので
程度に読んでもらえるといいかと思います。
また、帰属先とは一切関係ありません。
筆者は急性期で4年間働きその後に回復期で5年目となります。
入院中の回復の程度やその回復に合わせた住宅環境への介入について考えます。
内容はざっくりこちらになります。
運動器疾患の回復程度
自宅退院に向けたアプローチ(主に環境面)
それではみていきましょう。
脳血管障害の回復程度
急性期病院や急性期病棟で治療を終えた方が自分がいる回復期病棟へやってきます。
回復の程度には、病気の程度や治療の種類、元々の体や年齢、性別などさまざまな要因が関係します。
一概には言えませんが、経験による話をしていきます!
同じ体で同じ病気だとしたら治療が早い方が改善も大きいと目にします。
体がおかしいなと思ったらすぐ119に連絡しましょう!!
入院してから1〜2週間のうちに歩く練習ができれば歩けるようになるかも
前の病院などで歩く練習を行なっている場合や回復期病棟にきて1〜2週の間に
何らかの道具を使っても歩く練習
ができれば今後も少し歩くことができるかもしれません。
歩くと言っても、
そうはいっても、年齢が若かったり、運動を司る神経があまり影響を受けていなければ改善の見込みはあります。
逆に高齢だったり腰痛だったり他の疾患がある場合は回復の妨げになります。
装具が足首周りだけ(短下肢装具)で歩く練習ができると家の中を歩くことができるかも
リハビリの人が相手の症状に合わせて装具を選びます。
装具が大きい・丈夫という事はその分、体の麻痺が重いということを意味します。
装具を選ぶ際に、膝までの長い装具(長下肢装具)を選ぶということはかなり体の麻痺が重い場合や練習段階かと思います。
(歩くための歩く練習ではなく、起きたり立ったりするための歩く練習もあります。)
その際に歩く練習が進み、足首周りだけの装具(短下肢装具)で歩くようになるといよいよ最終段階です。
あとは装具の扱いに慣れると入院生活から歩くことができるようになると思います!
歩けることが危険になる場合も
足の麻痺だけでなく、脳に影響が起きる場合があります。
高次脳機能障害や脳血管性認知症と言われる脳の影響が脳卒中が原因で起こります。
これらの影響で、
特に1人で過ごすことが多くなる方の場合はより危険が増え、自宅での生活が困難になります。
コツを掴めるかの見極めは非常に難しく、入院中はできなくても退院してから時間と共にできるようになることもあるので長い目でみる必要があります。
「歩けない」
と判断するのは簡単ですが、その方の一生を左右する大切なことです。
家族への助言は慎重に行なっています。
車椅子での生活も考えておく必要がある
足の麻痺の程度を本人が理解し、歩くことが危険だとわかると車椅子での生活を考えます。
理解が得られなかったり、転んでしまう危険が多いと常に介護が必要になります。
歩ける距離にもよりますが、
退院した後も家の中は歩くことができると思います。
逆に、入院中に歩くことができなかった場合は家の中は何とか歩くことができても外を歩くのは難しいのではないかと思います。
注意してもらいたいのが、入院中に病室を歩くというのはリハビリの間ではなく、普段の生活のことを言います。
看護師さんの付き添いがあってもなくてもどちらでも構いませんが付き添いがない状態で歩けた方がより安心して自宅内を歩くことができると思います。
運動器疾患の回復程度
脳血管障害(脳卒中)に比べ運動器疾患の場合は退院する時の体の様子を見通しやすいです。
でも上記した通り、
が退院する時の体の様子を左右します。
入院する期間は長くても3ヶ月程度なのでそれを踏まえた改善の見通しについて考えます!
高齢で杖を使っていた方が退院する時に杖なしで歩きたいと話があっても難しい
杖をついて生活をしていた方は退院した後も使った方がいいです。
骨折した後は手術をしたり安静が必要です。
手術後の痛みや筋力が低下するため身の回りのことができなくなります。
(安静も治療の一環です。制限されることが多いです。)
そういった一時的な体の弱りを回復させる役割をになっているのが回復期病棟になります。
元々の体の様子まで回復させたいですが、安静期間による体の衰えは思ったより大きいです。
大体の場合が歩くための道具をより安全にして(丈夫にして)退院してもらうことが多いです。
よくある例を紹介します。
あくまで経験なので一概には言えませんが目安になると思います。
また、退院する時の歩く様子なので退院して練習を続けることで改善する事はよく耳にします。
高齢の方の場合は上記の目安に従って退院の目安を決めます。
右(→)に書かれている様子まで早くて2ヶ月はかかることが多いです。
とたまに耳にしますが、右に書かれている様子まで回復しない事を了承してもらえるなら早めに帰ることができます。
今後の生活を踏まえて病院に1ヶ月多めにいることが退院した後の生活の質を高めますので退院時期については主治医と担当の人とよく話し合って決めてください!
若くして不意に転倒してしまった方で元々杖なしで歩いていた方は杖なしで歩けることが多い
60代でも比較的若いと感じる医療業界ですが、脳卒中や内部疾患など基礎疾患があると元の様子まで戻らないこともあります。
それでも元々杖なしで歩いていた方が退院する際には念の為杖の紹介をします。
なぜなら、
入院中に何も使わずに歩けたても退院した後も杖なしで大丈夫とは言いにくいです。
入院中は長く歩いても100mくらいだったり4〜6分くらいだと思いますが、日常生活ではそのくらいしか歩けないと困ることがあります。
退院した後に想定される歩く距離をしっかりと聴取して杖の使用を提案します!
自宅退院に向けた介入(主に環境面)
ここからは回復期病院から退院する時の体の機能に合わせて家の中や外を直す必要があることについてお話しします。
環境というのは人以外の部分を指します。
骨折してしまった方で、若い方(60代くらい)はあまり心配する必要はありませんが、今後のためにと相談する事はあります。
脳血管障害で体の様子が大きく変わった方には大きな提案をしていきます。
その際に気をつける点などを紹介していきます!
家族が生活することも考える
最初に気をつけたいのが病気や怪我をしてしまった方だけを考えてあれこれ提案すると一緒に住む家族には不便なことがあります。
段差のそばにある手すりくらいならまだ使えるのでいいですが、ポータブルトイレだったり、昇降機は大きですし簡単に動かすことができません。
導入すること本人や自体家族にとっては大きな決断なのでなるべく生活に影響のない場所を提案していきたいです。
ベッドを置く場所は本人と家族に確認をとりつつ決める
階段の上り下りが難しいから寝室は1階に
とよく目にしますし自分も提案することがあります。
しかし、ベッド置くとなると本人も生活スペースを気にしますし、家族も気を使いかねません。
プライバシーや距離感を配慮した上で慎重に提案する必要があります。
また、1階に空いている部屋が畳の部屋の場合はそこにベッドを置いていいか確認する必要があります。
と結局階段を上がって寝室に行くことになったケースもあります。
この畳を気にするのは歩行補助具の場合も同様に注意が必要で、杖なんで使えない、車輪が通るなんてもってのほか!といったケースもあるので注意が必要です。
提案するときはメリットを十分に伝える
注意が必要な環境面への配慮ですが、伝え方次第では受け入れよく前向きに検討してくれる場合があります。
ということを理解してもらいます。
そういった気持ちをうまく提案によって代弁していくといい反応があります!
これを使うと安全に歩けるだけでなく1人で歩けるので家族の介護負担も減ります
と言ったように説明していくと受け入れはいいです。
物を増やすことに抵抗がある方には配置換えでも同様に提案していきます。
寄せる、空けるなど簡単な提案も受け入れが良くないことがありますが、上記の方法で説明すると受け入れてくれることが多いです!
まとめ
長くなってしまいましたがまとめになります。
今回は回復期病院に来てからの改善具合の見込みと自宅退院に向けた介入について解説しました。
内容が多いですが、目次にまとめてみたので参考にしてみてください!
これ!といった正解がなく個別のケースごとにじっくり考えて最適解を導き出す必要があり、非常に頭を悩ませる内容だとは思います。
しかし、
提案する側の人がこの記事を読んで少しでも悩みが減ればいいなと思います。
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