登山は日常の生活と違いザック(リュック)に入るものしか持っていけません。
荷物が多すぎると足腰を疲労させ体力の消耗につながります。
逆に、荷物が少なすぎても万が一の備えが不十分だったり快適に過ごせないなど問題が生じる恐れがあります。
前回の記事「登山に必要な装備とは?」で最低限必要な道具についてお話ししました。
今回はその続きで他に持っていくものについてお話ししていきたいと思います。
今回紹介する最低限必要なものは、
水分・行動食
地図
帽子
です。詳細を順番に見ていきます。
ヘッドライト(ヘッドランプ)
日帰りの予定だからライトはいらない!なんてことはありません。
朝早く出発する行程もあるでしょうし、山小屋や遭難小屋で泊まるようになるかもしれません。
何より必ず日が沈むまでに帰って来られるか100%言い切れないからです。
もしも、遭難した時に明かりを頼りに捜索してくれます。
ヘッドライトと一緒に替えの電池も持ち歩くようにしています。
長く使うようになるといつ電池を交換したか忘れがちになるので予備を持っておいた方がいいと思います。
水分・行動食
予定を立てる段階で食事の回数が何回かわかるはずです。
例えば、
では不正解となってしまいます。
もしもの時の非常食や行動食(移動しながらカロリーを補う)を考えると少し多めに用意する事をお勧めします。
水分に関してはコースの途中に水場(水がくめる場所)があるかどうかで大きく変わります。
必ず確認してから荷物を準備するようにしてください。
また、水はペットボトルで持っていくのではなく水筒を用意したもらいたいです。
理由としてはザックの中でペットボトルが潰れて水が漏れてしまったり、飲み口が狭く水場で使いにくいことが考えられます。
持っていく水の摂り方も大切です!
失った水分と、摂る水分。汗と水の量のバランスのとり方は、意外と知られていません。
山のプロ集団である日本山岳ガイド協会では、こんな計算式が使われています。
給水量 = 脱水量 × 0.70~0.80
脱水量とは、かく汗の量で給水量とは、摂る水の量です。
必要な水の量(給水量)は、かいた汗の量(脱水量)の70~80%という意味です。
次に、汗の量をだいたい把握するための計算式が、これです。
脱水量 = 体重(kg)× 行動時間(h)× 5(ml)
例えば、体重60kgの登山者が6時間行動した場合の、汗の量は
脱水量 = 60(kg)× 6(h)× 5(ml)= 1800ml
この汗の量を、先の給水量の数式にあてはめてみると、体重60kgの登山者が6時間行動した場合の水の量が分かります。
給水量 = 1800ml × 0.70~0.80 = 1260ml~1440ml
調理用や予備を含めて、2000ml~2500ml持っていけば、十分事足りそうです。
※計算式は、一般的な登山・トレッキングの運動強度を想定したものです。
※ほかに「登山中に必要な水分量(ml)=自重(体重+ザック)×5×行動時間」とした計算式(鹿屋体育大学・山本正嘉教授の研究による)もあります。
飲み口の広い水筒なら
地図
登山道は整備されており看板等もあるため道に迷うことは少ないと思いますが。
しかし、天気が悪く看板を見落としたり目印が見えなかったなどで遭難する可能性もありますので地図は必ず持つ必要があります。
最近はスマートフォンで活用できる地図もあるので紙の地図やコンパスは不要になりつつあります。
スマートフォンで地図を利用する場合は電池切れの心配がありますのでモバイルバッテリーは必要です。
地図とコースタイムが同時に確認できるアプリ(YAMAP)もあるので確認してみてください!
帽子
山は平地に比べ紫外線が強く日焼け対策が必要になります。
登山に最も適してる6〜8月は紫外線が強くなる時期でもありますのでより注意が必要です。
ではなぜ紫外線に帽子なのでしょうか?
長い時間日光に当たると、運動などをしなくても「疲れた」と感じたことはないでしょうか。
実は、紫外線を目に照射した動物実験によると、疲労の際に見られる物質が血中に増加していたことがわかりました。
ただでさえ長時間の移動が必要な登山ですのでなるべく体力は消耗したくないですよね!
また、登山道は整備されているところも多いですが枝が伸びていたりした際には頭を保護する役目もあります。
最後に
持っていくべきものとして最低限の装備を紹介しました。
この記事のまとめ
最低限必要なものは、
水分・行動食
地図
帽子
です。
やはり体力の消耗はどうしても避けたいところでなるべく荷物は少なくしたいですが必要なものまで減らすわけにはいかないと思います。
荷物を軽くした上で「なるべく早く帰って来られるようにしよう!」とか、
荷物をたくさん持って「足の運動も兼ねよう!」とその日の体調に合わせて荷物を考えています。
前日の睡眠をよくとって、栄養も適度に補いつつ登山を楽しみましょう!